海外でも活躍中の「海と宇宙」をベースにデザインするアクセサリーブランド「ryuroru」の塩野入さんに話を聞きました。

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Q/身に付けることで「ワンランクアップの女性として輝ける」―。そんな雰囲気のある洗練されたアクセサリーですね。どのようなコンセプトから生まれたのでしょうか

「海と宇宙」をテーマにしています。

ブランドを立ち上げるにあたり、「何を作っていきたいのか、大切にしていきたいものは何か…」自分自身と向き合いました。これまでの人生を振り返ると、幼少期から「海」「宇宙」をテーマに描いたり、ものづくりをしていたことに気づき、そこから導き出しました。

「海と宇宙」はキーワードとしても出てきます。自分自身が仏教徒で、短大が仏教系だったこともあり、仏教美術は究極の美の表現だと感じた経験も作品に生きています。

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Q/作品のイメージ、モチーフを教えてください

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コンセプトに基づき、海と宇宙、そして、シンプルという3本柱の中からモチーフを選び、デザインを展開しています。初期は、視覚的に分かりやすいものが多かったです。例えば、波や貝殻などをダイレクトにアクセサリーに落とし込み、モチーフが分かりやすく伝わるような作品を作っていました。

その後、徐々にデフォルメし、手に取った方が想像していただく…、現在のようなスタイルになりました。

素材はメインがシルバーで、18金のゴールドメッキを掛けています。真鍮も使いますね。商品単価は、1万5000円くらいから2万円程度になっています。基本的にジュエリーと呼ばれる貴金属のカテゴリーよりは、アクセサリーというくくりで普段から身に付けていただけるものを販売しています。

Q/ブランドを立ち上げた経緯をお伺いできますか

立ち上げるにあたって、2人の師匠のもとで学んだというバックボーンがあります。

1人はブランドを運営するためのビジネス的な部分を。もう1人は、作り方を教えてくれる方です。アクセサリー教室の中にプロを育成するコースがあり、そこに通って一から学びました。

Q/アクセサリー教室で習得されたのですね。それまでは何をされていたのですか

短大を卒業した後、OLをしていました。そこから、やりたいことをずっと模索しながら、転職を重ねてきました。

レストラン業界の営業部でデザイナーのアシスタントをしたり、青山(東京都)に本店がある作家もののアクセサリーショップで働いたり…。アクセサリーのOEMの企画会社でデザイナーのアシスタントをした経験もあります。少し時間はかかりましたが、様々な経験を経て、自分のやりたいことは「作ることとデザインすること」の両方であると気付けました。

Q/「デザインして、作ること」。自分のやりたいことが明確になった後はどうされたのですか?

その後、趣味でアクセサリーを作るようになりました。すると今度は「趣味は趣味として楽しむか」それとも「仕事にして、突き進むかー」。そんな人生の岐路に立つことになりました。

そんな時に出会った教室で、師匠の作品を見て感銘を受けました。「尊敬する人のもとで学べるならば…」。振り返ると、偶然のような運命のような出会いが、前進する引金になりました。

Q/運命の出会いですね。そこで学ばれて現在に至るのですね

ブランドの立ち上げには何年もかかると想像していたのですが、そのスクールがかなりのスパルタでして(笑)。一年もしないうちに展示会デビューを果たすことになりました。人生の中で一番追い込まれ、濃密な期間でした。そして、31歳でブランドを立ち上げました。

Q/販売はどのような形態で行っているのですか?

パルコやspiralのようなファッションビルやアート施設での販売が多いです。お客様と近い距離で気軽に買い物を楽しんでもらいたいなと思っています。

常設ではなく、ポップアップやイベントなどに出展することが多いですね。

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Q/米国ニューヨークへ出展するという挑戦をされました。もともと海外でやってみたいという思いがあったのですか

2019年ごろ、知り合いがニューヨークのポップアップストア「アーケードジャパン」へ出展していました。今思えば、それが結構、刺激になっていました。

その後、日本の展示会でニューヨークで日本文化を発信しているRESOBOXの代表と知り合ったことから、nijiの伊藤代表とのご縁をいただき、出展する機会を得ました。

Q/実際、海外進出してみてどうでしたか

最初は出品する作品も少なく反応も薄かったのですがイベントの規模が大きくなったタイミングでシルバーアイテムを中心に展開し、ビジネスとして成り立つ流れへと進化しています。

デザイン面では、個性的なデザインや日本であまり人気のないラインナップも、お客様に受け入れられることが増えて、自分の表現や可能性が広がっています。

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Chelsea market collaboration event with 1 Common

ニューヨークにある有名なチェルシーマーケットでのイベントにもご参加頂きました。

イベントの様子はコチラ

Q/周囲の反応はいかがですか?

「NY」というパワーワードに、若い作家たちが特に目を輝かせます。彼らが「海外で挑戦してみたい」と感じるきっかけになれれば嬉しいです。

国内に留まらず、海外へ出店することによって得られた経験は作品に生きるはずです。

「日本ではあまり反応がないデザインでも、海外では反応が良い」という文化の違いからくる価値観の相違も面白さの一つであり、そう言う面を体感して頂きたいです。

Q/今後の目標や展望を教えてください

まずは現地のショップのバイヤーから注文が入ることを目標にしています。

そのためには様々なシーンで作品を露出し、多くの方の目に触れる機会の創出が必要です。作品を丁寧に仕上げて資金確保する。実績を出すことで、夢が現実へと動き出すと思います。進化する未来に向けて、一歩ずつ着実に前進していけたら嬉しいです。

最後に

ryuryoruさんには、nijiがニューヨークで開催するイベントに積極的にご参加いただき、感謝しております。また、ニューヨークのお客様にブランドを知ってもらうお手伝いができて、とても嬉しく思います。ニューヨークのマーケットに合うよう、試行錯誤を繰り返しながら、今後もアメリカでの市場拡大に一緒にチャレンジ出来れば嬉しく思います。

日本で活動しているハンドメイド作家の皆さん!海外で販売してみたいけれど、どこから始めればいいか分からないという方は、ぜひ一度ご相談ください。ポップアップイベントだけでなく、オンラインストアでの販売サービスも提供しています。