日本らしい名前をつけたいと思い、最初に「おかざり屋さん」という響きをイメージしました。
私が住んでいる地域は「アストリア/Astoria」という場所です。音の響きが似ているため、「おかざり屋(Kazariya)」と「アストリア/Astoria」を掛け合わせて、「Kazaria3」のブランド名に決定しました。
はい、当時はパンデミックの影響で、マスクが必要とされていた時期でした。元々制作していたのは、ジュエリーアクセサリーですが、マスクなどの布ものづくりにシフトするなかで「他のアイテムも作ってみたい」と思い、帽子などにも挑戦するようになりました。
特に帽子の反応がよかったことから、現在のラインナップの中心になっています。
現在は、バケットハット、キャップ、耳付きキャップ、冬用のハンチングなどを展開しています。去年まではベレー帽もつくっていましたが、現在は季節に合わせたラインに絞っています。
特にバケットハットは海外での反応がとてもよく、最も人気のあるアイテムです。カジュアルに取り入れやすく、同じ柄でも「キャップよりバケットハットのほうが似合う」といった声があったり、アイテムによって反応が変わったりするのも面白いところです。
サイズ調整やつばの長さの変更など、細かなご要望にもできる限りお応えしています。海外では頭のサイズの幅がとても広く、大きめのサイズを求める方もいれば、小柄で「もっと小さいサイズが欲しい」とおっしゃる方もいます。
ご希望に合わせたオーダー対応は、海外で販売するうえで非常に大切だと感じています。
完全に独学です。元々、語学学校で知り合った友人たちが服飾を学んでいたんです。その影響を受け、自分でも簡単な洋服を作ってみるようになりました。
しばらく続けるうちに、妹から「結婚式で着るウェディングドレスを作ってほしい」と頼まれました。正直「作れるわけがない」と思いましたが、YouTubeで調べながら、試行錯誤して型紙を組み合わせ、なんとか一着を完成させました。
妹も喜んでくれましたし、私自身もとても嬉しかったです。この経験を通して、“やればできる”という自信が生まれたことが、今のものづくりにもつながっています。
最初の頃は、アフリカンファブリックなど身近にあった生地を使って作品を作っていました。ただ、お客様から「どうしてアフリカの生地を使っているの?」と聞かれたことで、自分のルーツとは異なる素材を扱っていることに気づかされました。
それから、自分が大切にしている日本の文化や背景に根付いた素材を使って発信したいと思うようになり、着物生地を使うスタイルへと切り替えました。
以前は、ニューヨークで開催されていた日本の着物や生地の展示会で購入していました。
最近は、日本に帰国したタイミングで京都などの古着屋さんを巡り、自分の目で見て選ぶようにしています。
オンラインショップで購入することもできますが、質感や色味を確かめながら選びたいため、できるだけ現物を手に取るようにしています。
帯は主にバケットハットに使用しています。アメリカで好まれやすい、オレンジやゴールドといった明るい色味、華やかな柄の生地を選ぶことが多いです。
一方で、「本当に着物の生地?」と驚かれるような、和柄すぎないデザインも人気があります。ブルー系のカラーもよく選ばれますし、市松模様などアニメ作品を思わせるようなモチーフが少し入っていると、興味を持ってくださる方が多い印象です。
素材や柄を選ぶ際は、自分の感覚を大切にしています。「かわいい」「おもしろい」と感じるものを直感で選び、生地の魅力を作品に生かすようにしています。
オンラインショップはあまり活用しておらず、ポップアップイベントへの出店が中心です。Instagram経由でオーダーをいただくこともあります。
これまでに20箇所以上のマーケットに参加してきました。よく出店しているのは、Nijiさんが企画する「Japan Village」のマーケットです。日本文化に関心のあるお客様が多く、リピーターの方も増えています。
イベントは、出店する場所や客層によって反応が大きく変わります。相性の良いマーケットもあれば、価格帯や雰囲気が合わずに思うようにいかなかったマーケットもありました。実際に出店してみなければわからない部分も多く、経験を重ねることで得られる気づきはとても大きいと感じています。
Japan Villageで出会ったお客様が、別の開催回にも足を運んでくださったことです。中には何度も帽子を購入してくださる方もいて、とてもありがたく感じています。
また、イベント関係者の方を通じて、レディー・ガガのスタイリストとして知られるニコラ・フォルミケッティさんへのプレゼントとして帽子をご注文いただいたこともありました。ご本人から写真の使用許可もいただき、思いがけないつながりが生まれたことがとても嬉しく、深く印象に残っています。
今後は、リサイクルのヴィンテージ着物の使用割合をさらに増やしていきたいと考えています。そして、生地の端切れを組み合わせて、パッチワークでオリジナルの布をつくり、制作に活かすことが目標です。
帽子を制作する過程では、どうしても細かな端切れが出てしまいます。ただ、どの布にも思い入れがあり、できる限り無駄にしたくありません。
パッチワーク生地の制作は、少しずつ進めています。作業には時間がかかりますが、大切な布を活かせるよう取り組んでいきます。
日本の作家さんは、作品づくりがとても丁寧で、細部までこだわった独自の表現を持っている方が多いと感じています。だからこそ、もっと海外にも挑戦してみてほしいです。
私自身、最初は「自分の作品を海外で販売していいのかな」と迷う気持ちがありました。でも思い切って出店してみたことで、お客様の反応を直接知ることができ、その一つひとつが大きな励みになりました。海外進出により新たな仲間とのつながりが生まれることも、自信につながると思います。
1人で悩むより、まず一歩を踏み出してみませんか。ぜひ一緒に頑張りましょう!