Posted on

NYを拠点に、着物の生地や帯を生かした帽子づくりを行う「Kazaria3」まいさんにお話を伺いました

kazaria3

NYを拠点に、着物の生地や帯を生かした帽子づくりを行う「Kazaria3」まいさんにお話を伺いました

kazaria3

NYを拠点に活動する「Kazaria3」は、着物の生地や帯を生かした帽子を中心に展開するブランドです。 独学でのものづくりから始め、今では多くのリピーターに支持される存在へと成長しました。ブランドを手がけるまいさんに、これまでの歩みやマーケットでの反応、そして今後の展望についてお話を伺いました。

Q/ブランド名「Kazaria3」には、どのような意味が込められていますか?

日本らしい名前をつけたいと思い、最初に「おかざり屋さん」という響きをイメージしました。

私が住んでいる地域は「アストリア/Astoria」という場所です。音の響きが似ているため、「おかざり屋(Kazariya)」と「アストリア/Astoria」を掛け合わせて、「Kazaria3」のブランド名に決定しました。

kazaria3

Q/活動のきっかけは、コロナ禍でのマスクづくりだったそうですね。

はい、当時はパンデミックの影響で、マスクが必要とされていた時期でした。元々制作していたのは、ジュエリーアクセサリーですが、マスクなどの布ものづくりにシフトするなかで「他のアイテムも作ってみたい」と思い、帽子などにも挑戦するようになりました。

特に帽子の反応がよかったことから、現在のラインナップの中心になっています。

Q/ラインナップについて教えてください。

現在は、バケットハット、キャップ、耳付きキャップ、冬用のハンチングなどを展開しています。去年まではベレー帽もつくっていましたが、現在は季節に合わせたラインに絞っています。

特にバケットハットは海外での反応がとてもよく、最も人気のあるアイテムです。カジュアルに取り入れやすく、同じ柄でも「キャップよりバケットハットのほうが似合う」といった声があったり、アイテムによって反応が変わったりするのも面白いところです。

Q/オーダーメイドにも対応されているそうですね。

サイズ調整やつばの長さの変更など、細かなご要望にもできる限りお応えしています。海外では頭のサイズの幅がとても広く、大きめのサイズを求める方もいれば、小柄で「もっと小さいサイズが欲しい」とおっしゃる方もいます。

ご希望に合わせたオーダー対応は、海外で販売するうえで非常に大切だと感じています。

kazaria3

Q/制作の技術は、どのように身につけられたのでしょうか。

完全に独学です。元々、語学学校で知り合った友人たちが服飾を学んでいたんです。その影響を受け、自分でも簡単な洋服を作ってみるようになりました。

 

しばらく続けるうちに、妹から「結婚式で着るウェディングドレスを作ってほしい」と頼まれました。正直「作れるわけがない」と思いましたが、YouTubeで調べながら、試行錯誤して型紙を組み合わせ、なんとか一着を完成させました。

妹も喜んでくれましたし、私自身もとても嬉しかったです。この経験を通して、“やればできる”という自信が生まれたことが、今のものづくりにもつながっています。

Q/当初は別の生地を使って制作されていたそうですね。着物生地へと切り替えた理由を教えてください。

最初の頃は、アフリカンファブリックなど身近にあった生地を使って作品を作っていました。ただ、お客様から「どうしてアフリカの生地を使っているの?」と聞かれたことで、自分のルーツとは異なる素材を扱っていることに気づかされました。

それから、自分が大切にしている日本の文化や背景に根付いた素材を使って発信したいと思うようになり、着物生地を使うスタイルへと切り替えました。

kazaria3

Q/着物の生地はどのように仕入れているのですか?

以前は、ニューヨークで開催されていた日本の着物や生地の展示会で購入していました。

最近は、日本に帰国したタイミングで京都などの古着屋さんを巡り、自分の目で見て選ぶようにしています。

オンラインショップで購入することもできますが、質感や色味を確かめながら選びたいため、できるだけ現物を手に取るようにしています。

Q/素材選びやデザイン面で、特にこだわっている点を教えてください。

帯は主にバケットハットに使用しています。アメリカで好まれやすい、オレンジやゴールドといった明るい色味、華やかな柄の生地を選ぶことが多いです。

 

一方で、「本当に着物の生地?」と驚かれるような、和柄すぎないデザインも人気があります。ブルー系のカラーもよく選ばれますし、市松模様などアニメ作品を思わせるようなモチーフが少し入っていると、興味を持ってくださる方が多い印象です。

素材や柄を選ぶ際は、自分の感覚を大切にしています。「かわいい」「おもしろい」と感じるものを直感で選び、生地の魅力を作品に生かすようにしています。

Q/販売方法やイベント出店について教えてください。

オンラインショップはあまり活用しておらず、ポップアップイベントへの出店が中心です。Instagram経由でオーダーをいただくこともあります。

これまでに20箇所以上のマーケットに参加してきました。よく出店しているのは、Nijiさんが企画する「Japan Village」のマーケットです。日本文化に関心のあるお客様が多く、リピーターの方も増えています。

イベントは、出店する場所や客層によって反応が大きく変わります。相性の良いマーケットもあれば、価格帯や雰囲気が合わずに思うようにいかなかったマーケットもありました。実際に出店してみなければわからない部分も多く、経験を重ねることで得られる気づきはとても大きいと感じています。

kazaria3

Q/最印象に残っているお客様とのエピソードはありますか?

Japan Villageで出会ったお客様が、別の開催回にも足を運んでくださったことです。中には何度も帽子を購入してくださる方もいて、とてもありがたく感じています。

 

また、イベント関係者の方を通じて、レディー・ガガのスタイリストとして知られるニコラ・フォルミケッティさんへのプレゼントとして帽子をご注文いただいたこともありました。ご本人から写真の使用許可もいただき、思いがけないつながりが生まれたことがとても嬉しく、深く印象に残っています。

Q/今後の目標や挑戦したいことを教えてください。

今後は、リサイクルのヴィンテージ着物の使用割合をさらに増やしていきたいと考えています。そして、生地の端切れを組み合わせて、パッチワークでオリジナルの布をつくり、制作に活かすことが目標です。

帽子を制作する過程では、どうしても細かな端切れが出てしまいます。ただ、どの布にも思い入れがあり、できる限り無駄にしたくありません。

パッチワーク生地の制作は、少しずつ進めています。作業には時間がかかりますが、大切な布を活かせるよう取り組んでいきます。

これから海外進出を目指す日本の作家さんに、メッセージをお願いします。

日本の作家さんは、作品づくりがとても丁寧で、細部までこだわった独自の表現を持っている方が多いと感じています。だからこそ、もっと海外にも挑戦してみてほしいです。

私自身、最初は「自分の作品を海外で販売していいのかな」と迷う気持ちがありました。でも思い切って出店してみたことで、お客様の反応を直接知ることができ、その一つひとつが大きな励みになりました。海外進出により新たな仲間とのつながりが生まれることも、自信につながると思います。

1人で悩むより、まず一歩を踏み出してみませんか。ぜひ一緒に頑張りましょう!

Posted on

プラントベース&グルテンフリーのスイーツ「UPBEET!Tokyo」神宮司希望さんにインタビューしました。

UPBEET!Tokyo

プラントベース&グルテンフリーのスイーツ「UPBEET!Tokyo(アップビート・トーキョー)」と、南九州産の紅はるかを主原料にした「BENI BITES(ベニバイツ)」の2ブランドで海外進出に挑戦する神宮司希望さんにインタビューしました。

UPBEET!Tokyo

客室乗務員(CA)、朝食料理専門店の経営という経歴を経て、2018年に「UPBEET!Tokyo」を立ち上げ、さらに今年7月にさつまいもの新ブランド「BENI BITES」をリリースする神宮司さん。 お話ししているだけでハッピーオーラが伝わってくるパワフルな彼女とnijiとの出会いは、2月にNYで開催したniji主催のポップアップショップでした。ブランドの海外進出に向けた市場調査の一環で、会場に試食ブースを構えて現地のリアルな声を収集。約200人に試食を実施した結果、神宮司さんが得たこととは…。 今回は日本を飛び出して、海外でブランド展開することになった神宮司さんに、そのきっかけや市場調査の重要性、今後の展望などを伺います。

Q/まずは「UPBEET!Tokyo」「BENI BITES」の2つのブランドについて教えてください

2018年にスタートした「UPBEET!Tokyo」は、卵や乳製品を使用しない100%植物性の原料で作るスイーツブランドです。ドーナツや甘酒ブラウニー、チーズケーキをメインに、ビスケットやグラノーラなども販売しています。ドーナツには3年熟成したみりんを使っていたり、チーズケーキには木桶で作った白味噌を使うなど、日本ならではの材料を使用しています。

もう一つは、6月にリリースしたばかりの鹿児島のお芋を使ったブランド「BENI BITES」です。出身地である南九州産の「紅はるか」を使った商品で勝負してみたいという思いから、2年前にプロジェクトを始動。鹿児島で何十年も焼き芋や干し芋を作り続けているおばあちゃんに協力していただき、商品を完成させました。

UPBEET!Tokyo

Q/「UPBEET!Tokyo」のビジョンや創業した理由は?

プラントベースやヴィーガンを日本の日常にして、食の選択肢を増やしたいという思いが創業の発端です。

例えばアメリカでは、特にヴィーガンの人ではなくても、食べ過ぎた翌日やダイエット中に、レストランやカフェで当たり前のようにヴィーガンメニューを選べます。

しかし、日本はわざわざ探さないと見つけることができません。

これは、日本人特有の「これが当たり前」という文化や、「ヴィーガンメニューを選ぶだなんて意識高いね…」といった偏見や同調圧力のような考え方が、食文化に根強く残っているからだと感じています。

しかし、欧米に出てみると自由なんです。みんなにそれぞれの選択肢があるし、何を選んでも良くも悪くもない。もっと日本人も自由な発想が持てたら素敵だと思うんです。

Q/選択の幅が広がり、他人の選択に対して関与しない自由な生き方ができたら素敵ですよね。創業にあたり、メニュー開発はどのようにされたのですか?

以前から個人的な趣味でプラントベースのスイーツを作ることはあったのですが、本格的に商品作りを進めるために、各国のプラントベースのお菓子を研究しようと世界放浪の旅へ出掛けました。

イギリスでは、プラントベースのスイーツ作りを学ぶ専門学校に通ったのですが、そこで先生が「TAMARI」と呼ばれるたまり醤油を、チョコレートケーキに入れる姿に衝撃を受けました。

イギリスでは、味に深みを出すトレンドの材料としてたまり醤油が崇められていたんです。

 

この経験が切っ掛けとなり、帰国後は「日本の伝統的な食材で、スイーツに使えるものは何?」と、興味がわき、甘酒、酒粕、味噌…と、色々と探求しました。

 

プラントベースとかヴィーガンって「海外から来たもの」というイメージがあると思うのですが、調べていくと、日本に古くからある「精進料理」「発酵食品」などは、まさにプラントベースの基礎となるものがたくさん。この領域で日本から世界に向けて発信するブランドも、あっていいのではと思い、いろんな要素を組み立て、現在に至ります。

Q/斬新ですね! 具体的にはどんな食材を使うことになったのでしょうか?

日本各地の生産者さんを実際に尋ねて歩き、出会った素晴らしい食材を作る方々にご協力いただいています。

例えば、看板商品のドーナツには杉浦味淋さん(愛知)の純米本みりんが欠かせません。3年かけて熟成したみりんは古酒のような茶色で保湿効果があり、ドーナツの生地をしっとり、ふっくらと仕上げてくれます。

また、高村商店さん(長野)の、出来立ての麹を使った濃厚な甘酒は「ブラウニー」のメイン食材の一つです。優しくて奥深い甘酒はブラウニー作りに欠かせない材料です。

また、長野で愛情たっぷりに育てられた吉池農園のリンゴは、ドーナツやブラウニーに使用しています。プラントベーススイーツは卵が使用できないため、卵の粘り気をりんごで代用しているんですよ。

UPBEET!Tokyo

Q/海外展開をすることになったきっかけは?

ちょうどコロナが落ち着いた2023年3月のことです。

アメリカで世界最大級のナチュラル・オーガニック食品見本市「Natural Products Expo West 2023」が開催されることを知りました。近年コロナの影響で海外へ行くチャンスがなかったため、「アメリカの最新の食のトレンドの現状を知っておきたい!」と思い渡米したのですが、そこで日本の出展者の少なさに衝撃を受けました。

「日本には良いものがたくさんあるのに勿体無い。日本はもっと頑張らないといけない」と強く思いました。

また、「プロバイオティクス」「腸活」に対する注目度が世界的に高まっていました。

「まさにうちの商品。これはいけるのでは…」と感じ、海外進出を決めました。

その後、色々な人に話を聞きに行ったり、GFP (農林水産物・食品輸出プロジェクト)に登録したりと、実際に動き、海外展開する準備をスタート。約1年かけてブランドと商品を固めていきました。

Q/すごい行動力とスピード感です。2024年2月のNY滞在ではどのような試みを行ったのですか?

NYでは、健康意識がとても高い方と、全く関心がない人がいて、その二極化を強く感じました。例えば、本当に意識の高い方は、白砂糖ではなくても、砂糖自体をなるべく摂取したくない…。健康意識の高まり方が加速していることを体感できました。

 

新ブランドに関しては、さつまいも自体は「スイートポテト=ヘルシー」という印象もある様子で、スッと認知してもらえました。ただ、「干し芋」に関しては、まだ全く周知されていない状態なので、「どんな風に味や特徴を伝えると良いか」を、一から考えていかないといけません。早速、帰国後にアメリカのデザイナーを探し、相談し、一から紐解く作業を経て、現在に至ります。

UPBEET!Tokyo

Q/販売する際に「日本のブランドであることを全面に出してアピール」するなどの戦略はお持ちですか?

抹茶やお酒のように、日本ブランドをあえて全面に押し出す必要はないと思っています。

日本産ということは、数ある特徴の一つとして、興味を持った人には「日本の伝統的な保存食で干し芋と呼ばれているんだよ」程度で伝われば良いのかなと考えています。そもそも日本=ヘルシーというイメージもありますから。

日本のものだからだけではなく、「こんなユニークでヘルシーなスーパースナックがあるんだ!」と新しい発見をしていただき、現地の方の日常に欠かせない存在になるのが目標です。

Q/普通にスーパーマーケットのプラントベーススイーツやエナジーバーコーナーにずらっと並ぶイメージですね。楽しみです。今後の展望を教えてください。

これまでは、海外の文化や良いものを取り入れて商品作りなどをしてきましたが、私たちの住む日本には実は素晴らしい食文化や食材が山ほどあると思います。その一つが「さつまいも」。

日本のさつまいもは本当に甘くて美味しいと思うのです。そして昔から私たちの健康や食生活を支えてきてくれている存在ですよね。この日本が誇るスーパースナックのさつまいもを世界に発信したいと考えています。

いつかニューヨークの街のど真ん中に、焼き芋のトラックを走らせたいです。昔ながらの「石焼〜いも」のようなノスタルジックさは残しながら、凄くかわいくてカラフルなものを用意して、いい匂いを漂わせながら走ったら、ニューヨーカーがどんな反応をするでしょう…。ぜひ見てみたいです。

 

BENI BITES」の商品は、日本ではさつまいもの日にあたる10月13日に販売をスタート。アメリカでは10月にイベントでお披露目し、その後、営業しながら販路を開拓していきたいと思っています。生産者さんのこだわりとをしっかりと生かした体と心が満たされる商品に仕上がっていますので、ぜひ食べてみてくださいね。

 

Q/とってもパワフルですよね。活力の源とアメリカを選んだ理由が知りたいです。

活力は食べることでチャージしています。本当にただの食いしん坊なんですよ(笑)。

小さい頃から食べることが大好きで、今も「美味しいものを、みんなにも食べてもらいたい。食べるものから得る活力を皆さんにお届けしたい」という、一心で頑張っています。

進出した国をアメリカにした理由はシンプルにアメリカの「違い」を開くと思わず〜大好きだからです。

CAの頃から担当することが多かったのですが、「違い」を悪と思わず、受け入れながら共存する文化、自由な風潮、ウェルカムでオープンな雰囲気が大好きです。

Q/最後に海外への憧れを抱く日本人にメッセージをお願いします

私たちは日本人でもありますが、地球人でもあります。日本の中だけで人生を終わらせてしまうのは勿体無いことです。私はCAという職業に就いたことをきっかけに世界がグッと身近になりました。皆様もふとしたきっかけで、世界が身近になる瞬間がきっとあるはず。

でもそれは自分から一歩踏み出さなければその瞬間はやってきません。

 

世界を旅するとどこに行っても「日本っていい国だよね!」「日本人て最高だよね!』と言ってもらえることは日本、そして日本人であることの素晴らしさも再認識させてくれます。国内という小さな枠に囚われず、世界に目を向けてみることで、見える景色が変わり、人生に新たな彩りが加わるはず。私自身も、まだまだスタートラインに立ったばかりです。一緒に世界へのチャレンジを楽しみましょう!

最後に

神宮寺さんには、日本からnijiのイベントにご出店いただき、心より感謝申し上げます。
ニューヨークのお客様に実際に試食していただき、貴重な反応を得られる機会を提供できたことを大変うれしく思います。
今後もニューヨークのマーケットに合わせて試行錯誤を重ねながら、アメリカでの市場拡大に共に挑戦していければ幸いです。

 

日本で活動されているハンドメイド作家の皆さまへ。
「海外で販売してみたいけれど、どこから始めればいいかわからない」という方は、ぜひ一度ご相談ください。ポップアップイベントへの出店だけでなく、オンラインストアでの販売も可能です。

ニューヨークでご自身の商品を販売してみたい方は、ぜひ下記よりお問い合わせください。

Posted on

「海と宇宙」をベースにデザインするアクセサリーブランド「ryuroru」

ryuryoru

海外でも活躍中の「海と宇宙」をベースにデザインするアクセサリーブランド「ryuroru」の塩野入さんに話を聞きました。

ryuroru

Q/身に付けることで「ワンランクアップの女性として輝ける」―。そんな雰囲気のある洗練されたアクセサリーですね。どのようなコンセプトから生まれたのでしょうか

「海と宇宙」をテーマにしています。

ブランドを立ち上げるにあたり、「何を作っていきたいのか、大切にしていきたいものは何か…」自分自身と向き合いました。これまでの人生を振り返ると、幼少期から「海」「宇宙」をテーマに描いたり、ものづくりをしていたことに気づき、そこから導き出しました。

「海と宇宙」はキーワードとしても出てきます。自分自身が仏教徒で、短大が仏教系だったこともあり、仏教美術は究極の美の表現だと感じた経験も作品に生きています。

ryuroru

Q/作品のイメージ、モチーフを教えてください

ryuryoru

 

コンセプトに基づき、海と宇宙、そして、シンプルという3本柱の中からモチーフを選び、デザインを展開しています。初期は、視覚的に分かりやすいものが多かったです。例えば、波や貝殻などをダイレクトにアクセサリーに落とし込み、モチーフが分かりやすく伝わるような作品を作っていました。

その後、徐々にデフォルメし、手に取った方が想像していただく…、現在のようなスタイルになりました。

素材はメインがシルバーで、18金のゴールドメッキを掛けています。真鍮も使いますね。商品単価は、1万5000円くらいから2万円程度になっています。基本的にジュエリーと呼ばれる貴金属のカテゴリーよりは、アクセサリーというくくりで普段から身に付けていただけるものを販売しています。

Q/ブランドを立ち上げた経緯をお伺いできますか

立ち上げるにあたって、2人の師匠のもとで学んだというバックボーンがあります。

1人はブランドを運営するためのビジネス的な部分を。もう1人は、作り方を教えてくれる方です。アクセサリー教室の中にプロを育成するコースがあり、そこに通って一から学びました。

Q/アクセサリー教室で習得されたのですね。それまでは何をされていたのですか

短大を卒業した後、OLをしていました。そこから、やりたいことをずっと模索しながら、転職を重ねてきました。

レストラン業界の営業部でデザイナーのアシスタントをしたり、青山(東京都)に本店がある作家もののアクセサリーショップで働いたり…。アクセサリーのOEMの企画会社でデザイナーのアシスタントをした経験もあります。少し時間はかかりましたが、様々な経験を経て、自分のやりたいことは「作ることとデザインすること」の両方であると気付けました。

Q/「デザインして、作ること」。自分のやりたいことが明確になった後はどうされたのですか?

その後、趣味でアクセサリーを作るようになりました。すると今度は「趣味は趣味として楽しむか」それとも「仕事にして、突き進むかー」。そんな人生の岐路に立つことになりました。

そんな時に出会った教室で、師匠の作品を見て感銘を受けました。「尊敬する人のもとで学べるならば…」。振り返ると、偶然のような運命のような出会いが、前進する引金になりました。

Q/運命の出会いですね。そこで学ばれて現在に至るのですね

ブランドの立ち上げには何年もかかると想像していたのですが、そのスクールがかなりのスパルタでして(笑)。一年もしないうちに展示会デビューを果たすことになりました。人生の中で一番追い込まれ、濃密な期間でした。そして、31歳でブランドを立ち上げました。

Q/販売はどのような形態で行っているのですか?

パルコやspiralのようなファッションビルやアート施設での販売が多いです。お客様と近い距離で気軽に買い物を楽しんでもらいたいなと思っています。

常設ではなく、ポップアップやイベントなどに出展することが多いですね。

ryuroru

Q/米国ニューヨークへ出展するという挑戦をされました。もともと海外でやってみたいという思いがあったのですか

2019年ごろ、知り合いがニューヨークのポップアップストア「アーケードジャパン」へ出展していました。今思えば、それが結構、刺激になっていました。

その後、日本の展示会でニューヨークで日本文化を発信しているRESOBOXの代表と知り合ったことから、nijiの伊藤代表とのご縁をいただき、出展する機会を得ました。

Q/実際、海外進出してみてどうでしたか

最初は出品する作品も少なく反応も薄かったのですがイベントの規模が大きくなったタイミングでシルバーアイテムを中心に展開し、ビジネスとして成り立つ流れへと進化しています。

デザイン面では、個性的なデザインや日本であまり人気のないラインナップも、お客様に受け入れられることが増えて、自分の表現や可能性が広がっています。

ryuryoru
Chelsea market collaboration event with 1 Common

ニューヨークにある有名なチェルシーマーケットでのイベントにもご参加頂きました。

イベントの様子はコチラ

Q/周囲の反応はいかがですか?

「NY」というパワーワードに、若い作家たちが特に目を輝かせます。彼らが「海外で挑戦してみたい」と感じるきっかけになれれば嬉しいです。

国内に留まらず、海外へ出店することによって得られた経験は作品に生きるはずです。

「日本ではあまり反応がないデザインでも、海外では反応が良い」という文化の違いからくる価値観の相違も面白さの一つであり、そう言う面を体感して頂きたいです。

Q/今後の目標や展望を教えてください

まずは現地のショップのバイヤーから注文が入ることを目標にしています。

そのためには様々なシーンで作品を露出し、多くの方の目に触れる機会の創出が必要です。作品を丁寧に仕上げて資金確保する。実績を出すことで、夢が現実へと動き出すと思います。進化する未来に向けて、一歩ずつ着実に前進していけたら嬉しいです。

最後に

ryuroruさんには、nijiがニューヨークで開催するイベントに積極的にご参加いただき、感謝しております。また、ニューヨークのお客様にブランドを知ってもらうお手伝いができて、とても嬉しく思います。ニューヨークのマーケットに合うよう、試行錯誤を繰り返しながら、今後もアメリカでの市場拡大に一緒にチャレンジ出来れば嬉しく思います。

日本で活動しているハンドメイド作家の皆さん!海外で販売してみたいけれど、どこから始めればいいか分からないという方は、ぜひ一度ご相談ください。ポップアップイベントだけでなく、オンラインストアでの販売サービスも提供しています。

Posted on

海外で着物や帯など「和素材」のバッグを展開するブランド「MEINFINITY」明子さんへのインタビュー

Kimono bag designer

「ハンドメイドの作品を、日本から海外に広げていきたい」。 ECサイト「NiJi」には、そんな思いで創作活動する実力派アーティストが多数在籍しています。このページでは、所属する作家や作品の魅力を深掘り。第一回目となる今回は、着物や帯など「和素材」のバッグを展開するブランド「MEINFINITY」を主宰するデザイナーの明子さんに話を聞きました。

MEINFINITYのインスタグラム

オンラインストアはこちら。

Q/美しい和柄のバッグが、現代的でとても印象的です。着物や帯でバッグを作るようになったきっかけは?

近年は日本人であっても日常生活で着物に直接触れることはあまりありません。「着てみたいけど時間もお金もかかるし、高級なので敷居が高い」。私もそう思っていた一人です。

転機は、リサイクルの着物専門店へふらっと入ったこと。その時、初めて着物をじっくりと手に取って見入ったんです。着物に対する知識は全くない状態でしたが、手に取った商品に引き込まれ「この花の模様、すごくかわいい!」って感動しました。無知だからこそ和風柄というより、一つのデザインとして目に飛び込んできました。特に気に入った帯を手に持って、鏡の前に立つと直感的に「クラッチバッグだ」と感じ、この新しい発見がうれしくなりました。早速、帯や羽織を購入。自宅でバッグを作りました。

Q/もともと、小物を作るなど洋裁の経験はあったのですか?

実はゼロスキル。「作ってみたい」という気持ちが高ぶり、家庭用ミシンを買うところからスタートしました。ミシンも着物も初心者の状態だったため、週1回のペースで着物屋さんに通いながらの作業。店に集まっている女性客たちが「生地が厚いからミシン針はデニム用がいい」など、うんちくを交えながら、いろいろと教えてくれました。そんなアドバイスを受けながら、なんとか形にしていきました。

Japanese kimono bag designer

Q/行動力に圧倒させられます。最初は趣味からのスタートだったのですね。その後、販売に至る流れについて聞かせてください。

サンフランシスコに住んでいるアメリカ人の友人の誕生日にプレゼントしようと思い、バッグを作りました。それがインスタグラムに一番初めて載せたものです。とりあえず作ったから記録用としてアップしました。今考えると、型紙なしの簡単なもの。ただ、その時は自分の中で上出来だったので、例の着物屋さんに持っていったんです。すると、お客さんとして来られていたおばさまたちに「こんなの買った人はかわいそう」と、ネガティブな意見の数々…。すごく腹が立ち「絶対に見返してやろう」と思いました。

Q/原動力の一つになったのですね。この段階では趣味としての制作で、販売などはしていなかったのですか。

はい。趣味の一つとして作っていました。その後、たまたまガレージセールに参加することになり、初めて販売しました。すると芸大生たちが喜んで買ってくれたんです。自分が作ったものが売れて、認められたことがとてもうれしかった。

その後、少しずつ作ってはインスタにアップしていると外国人の反応が良かったんです。「これはいけるかも」と、フランスやニューヨーク、カナダ、タイ、韓国に住む友人に送って感想を聞かせてもらいました。すると、日本人とは全然違う反応で、作品を「デザイン」として見てくれるんです。日本人は「着物の柄」として見るのですが、外国人は固定概念がない分、純粋に評価してくれました。

また、日本の血が入っているミックスの人たちは、私のバッグを持つことで「自分のアイデンティティーの確立の一部になった」「日本のものを持っていることが誇りに思える」と言って喜んでくれました。これを聞いたとき、ただのバッグとして以上の価値があると確信しました。

Japanese kimono bag designer

Q/日本と海外での反応の違いから、作品の価値に気づかれたのですね。

はい。この経験から、ビジネスにするためブランドを立ち上げました。

そこで、以前から、着物を販売する外国人が多数いることをリサーチしていたニューヨークへ渡りました。

毎日、自作の一番派手なバッグを手に、ニューヨークを歩き回りました。日本が好きそうな人に話しかけたり、いろんな人にDMを送ったり…。日本好きが集まるジャパンフェスにも参加しました。

Japanese kimono bag designer
Japanese kimono bag designer

Q/日本との違いをどのように感じましたか。

日本では若者は違うかもしれませんが、一般的に着物に対してのルールが厳しいです。季節で纏う柄が異なり、着用できない時季も多い。築き上げてきた伝統がある分「ファッション」として見れない方が多数います。

しかし、私はこの柄たちを「デザイン」「ファッション」として発信したい。だからアメリカに行かなければいけませんでした。日本とは全く違う感覚で受けいれてくれるという事実を、ニューヨークで証明できましたね。

Japanese kimono bag designer
Japanese kimono bag designer

Q/明子さんの内面の強さを感じます。ご自身がそこまでのめり込む「着物の魅力」は何だと思いますか?

着物は「日本画」を身に着けているようなもの。柄の一部分を切り取ると、まさにアートそのものです。私はそんな着物に魅了され、ファッションとして取り入れやすいように、現代風にアレンジして発信しています。

日本人には「どうやって合わせてよいか分からない」とよく言われます。リサーチすると、「素敵だし持ってみたい」という感情はあるものの、他人の目が気になるという人が大勢いました。要するに「他人が使ってないから、使いづらい」ということ。しかし、外国人は「人からどう見られるか」ではなく「自分がどうしたいか」という指標で行動します。「可愛いと感じたから、使う」。いたってシンプルです。

Japanese kimono bag designer

Q/となると、顧客のターゲットは海外でしょうか。

SNSで発信すると、興味を持つ人の多くは外国人で、特に欧米の人が多いです。この2年間、ニューヨークと日本を行き来し、反応の違いを痛感しています。

私は、求められているところで輝きたい。日本ではネガティブな言葉をたくさん受けました。しかしニューヨークに場所を移すと一変した事実から考えても、まずは海外での展開すべきだと思っています。

Q/海外に詳しいですし、海外在住の友人も多いですね。また、すぐに行動されるパワフルさに圧倒させられます。

海外デビューは8歳。両親が応募した静岡県主催のプログラムで、春休みに船でサイパンとグアムを巡りました。その後も、中学1年生の時に姉妹校だったネパールに交換留学したり、2年生の時にはハワイへ研修旅行に行ったことがあります。それらの経験から、幼い頃から日本と海外との違いを認識していました。

なので「なぜ髪を染めてはいけないのか」「ピアスはダメなのか」「先輩後輩の規律って必要なのか」など、日本特有のルールに対して多くの疑問がありました。

その後、大学生や社会人になってからも海外での経験を活かして日本と海外を行き来していました。海外へ行くときは、常にワクワク感があります。行動すればするほど、知り合いが増えて、繋がりができます。現地の人から誘われると、まずは「イエス!」。即行動しています。

Q/躊躇せず行動できるパワーの源は何だと思いますか?

何事も自分で決めて行動していると、周囲の人たちが自然と助けてくれるんです。協力してくれる人のおかげで行動ができています。外から見ると、全て一人でやっているように見えるかもしれませんが、賛同してくれる人がいてこその自分です。

あとは反骨精神ですね。否定的な意見をぶつけてくる人に対して、結果を出して、見せてやりたいと思っちゃいます(笑)。

Q/最後に今後の展望を聞かせてください。

より深く着物やマテリアル(生地などの素材)について学びたいです。そして、縫製は洋裁の腕も、得意な叔母に手伝ってもらいながら、スキルを磨いています。

また、「質の良い生地や糸を使用していること」「特殊な織り方で作られた貴重品であること」など、特別感を前面に押し出したいと考えています。外国の方々にデザイン性に加え、日本人が大事にしてきた伝統文化であり、模様一つ一つに込められたストーリーを理解してもらえるように工夫していきます。

日本に留まっていたら光が当たらないコトやモノも、海外に向けて発信することで輝けることを証明したいです。素晴らしい伝統文化が、私が海外へ持ち出すことで、大きく広がっていく未来を見ることができたら幸せです。

MEINFINITY Kimono Bag

今回、明子さんへのインタビューを通して行動力と自分のコンセプトを貫く大切さを教えて頂きました。

日本国内でハンドメイド作家として活動しているが、今後は海外にも展開してみたいと考えているアーティスト様は市場調査やプライベート旅行を兼ねてでもいいと思うので、実際に現地に出向きどういう人が住んでいてどういうデザインで価格帯の商品が実際に現地で販売されているのか?をご自身で見てみることをお勧めします。

また言語の壁があるかもしれませんが、携帯の翻訳機能を使ってお店の人に話しかけてみると新しい発見やアドバイスがもらえるかもしれません!

nijiでは海外へご自身の作品を販売してみたいという作家様へオンラインマーケットプレイスを展開しています。

ご興味のある方は是非お問い合わせください。

Email : niji@japanese-artist-popupshop.com

ホームページ

インスタグラム

Posted on

雑貨、アパレル、文房具のハンドメイドアーティストStudio Haruさんのインタビュー記事

Studio Haru Interview

2023年7月9日にニューヨークのブルックリンで開催された日本のハンドメイドPOP-UPイベントに参加された、Studio Haruさんへインタビューを行いました。

ニューヨークを拠点に活動されているハンドメイドブランドのStudio Haruさんへインタビューを行い、ご自身のブランド作品について語って頂きました。

また実際にnijiが開催するハンドメイドのイベントに参加した際の感想などもお伺いしました。

以前参加されたイベントについてはコチラ

Studio Haruの代表紹介

Handmade apparel stationary gift items brand

非常に内向的で、シャイであるため、自分の顔をあまり写真に残さないようにしています。また個人的に、自分の容姿や人からどう見えるかで認識されたくないという思いもあります。どちらかというと、自分の作品で皆さんに認識していただきたいです。名声が欲しい訳ではないですし、そういったものをあまり好みません。作品を通して、皆さんに笑顔になってもらうことが、私の最大の願いです。

Studio Haruのオフィシャルウェブサイト

Q/洋服から文房具、アクセサリー、ガラス製品まで幅広く取り扱っていらっしゃいますが、ブランド名「Studio Haru」に込めた思いを教えてください

ずっとファッション業界で仕事をしてきましたが、同業界にはアーティストの創造力を制限する、ある種の枷のようなものがあると感じていました。私は元々、溢れ出すインスピレーションを基に、試行錯誤をしながらさまざまな作品を作るのが好きなのですが、ファッション業界では、突拍子もないアイディアや試行錯誤が歓迎されないような雰囲気があります。このため、自分のブランドを立ち上げ、枷のない状況で自由に自分のインスピレーションを形にしたいという思いがありました。

 

Studio Haruというブランド名は、元々私が日本語を話すことができ、また自分が一番好きな季節が「春」だったことに由来します。ただし、必ずしも春のイメージを先行させてブランドを作っているわけではなく、ブランドのイメージカラーは(ピンクや黄色といった春を連想させる鮮やかな色ではなく)、濃い目のブルーとナチュラルなオレンジ色にしています。これもインスピレーションを大切にしているためです。インスピレーションの赴くまま、いろいろなアイテムを作成・販売しています。

 

子供の頃からスタジオジブリ作品や日本食が大好きで、日本文化に興味を持つようになりました。私は南米と中国の両方にルーツを持っており、英語、日本語、中国語、韓国語、スペイン語の5ヶ国語を話すのですが、ブランドの中でも、この5つの文化の混ざり合いを意識して作品を作っています。日本文化は日本コミュニティの暖かさを象徴しており、また他文化を容易に受け入れる懐の深さがあるように思います。日本にバックグラウンドを持たない者として、時折自分が「日本文化を侵略しているのではないか?」と感じることがありますが、日本文化に関連するイベント等に参加すると、私のアイディアやブランドが暖かく迎え入れられていると感じることができ、杞憂であることがわかります。

Strawberry glass cup
Hoodie designed by Studio Haru

Q/作品を作り始めるに至った経緯は?

元々は祖母と母の影響が大きかったように思います。子供の頃、裁縫師をしていた祖母が縫い物をしている様子をよく見ていましたし、母も私や兄弟にハンドメイドの服を作ってくれていました。二人の様子を見ていて、クリエイティブな仕事に興味を持ち始め、その後、起業家であった父の影響で自分のブランドを立ち上げる構想を練り始めました。子供の頃から様々な作品を手作りするのが好きでしたが、特に布製品を作成することは、祖母とのつながりを実感することができ、また祖母に感謝を伝えることになると感じており、ブランドの中でも特別な存在になっています。

 

また、ファッション業界で仕事を始めたことで、自分の中でクリエイティブな要素とファッションの要素が統合されて形になっていきました。Studio Haruでクリエイティブなアイテムと、ファッショナブルな洋服の両方を取り扱っているのも、こういった自分の中での成長が背景にあります。昨今では、ニューヨーク地元の公園で遊ぶ子供達や偶然見た夢、映画、音楽、食べ物など、様々なものからインスピレーションを受けており、思いついたことは日記に毎日書き留め、徐々に作品化しています。

Play Ground loose sweatshirts

Q/「Japanese Artist Pop-up Shop」との出会いは?出店してよかったこと、作家の立場として感じる魅力を教えてください

Studio Haruを創設したのは2019年のことでしたが、その後すぐにパンデミックとなってしまったため、長らくオンラインでのみ販売をしていました。イベントやマーケットで物理的に出店できるようになったのは、昨年のことです。このため、出店できるイベントを積極的に探していましたが、同時にイベントの開催場所や参加者層に注目し、出店するかどうかは慎重に見極めていました。

 

Studio Haruの主な顧客層は、日本やアジア文化に関心のある20〜30代の若者や、文房具を多用する学生です。シンプルな服装を好む顧客も多い印象です。こういったことから、理想的なイベントの開催場所は、地元のニューヨーク周辺で、若者が多く、週末でも人通りが激しく、作品を手に取ってじっくり選びやすい屋内の会場になります。こういった点を踏まえると、Japanese Artist Pop-up Shopは理想的なイベントだったと言えます。

 

実際に、同イベントへの参加は大成功でした。ニューヨークに住む多くの人に作品を手に取ってもらうことができ、また他の作家の作品から新たなインスピレーションを受けることもできました。イベントの開催場所や参加者層に加え、お客さんとのコミュニケーションの取りやすさもイベントでの成功の要因と考えていますが、そういった点でもたくさんのお客さんとコミュニケーションが取れた同イベントへの参加は、成功だったと言えます。

image from Japanese artist pop-up shop

Q/コロナにも負けず、わずか4年間でブランドを確立して、米国国内外向けに多数の作品を販売されていますが、その秘訣は?

私の溢れ出るインスピレーションを受け入れ、ビジネスとしてサポートしてくれる、夫や家族、友人、知人の存在につきます。Studio Haruは現在、夫と二人三脚で運営しているような状況で、作品数が多いため、二人で制作や出店、オンライン販売の全てを切り盛りするのは大変なこともあります。しかし、夫はいつでも「アイディアがあるなら、やってみた方が良いよ!」というようなスタンスで、応援してくれます。

 

また、起業家である父がビジネスのノウハウを色々と教えてくれました。ブランドの立ち上げが成功したのも、父からのアドバイスがあったためと言っても過言ではありません。また、コロナ禍で迅速にウェブサイトを整備して作品の販売を開始するため、友人や知人にも助けを求めました。ウェブサイトに掲載する作品の撮影などは、基本的に自分達で対応することが多いですが、プロの支援が必要な場合には、友人を頼るか、さらにその知人を紹介してもらいます。

 

様々な人々の支援を受け、ブランドとしての知名度や信頼度をさらに高めることができるようになりました。支援をしてくださった方々には、とても感謝しています。試行錯誤でここまでやってこられたのも、皆さんのお陰だと思っています。

Q/今後の展望について聞かせてください。

短期的な目標として、物理的な店舗を構えたいと考えています。場所はマンハッタンのイースト・ビレッジなど、若者や学生が多く、活気に溢れた場所を考えています。4月に同地域でポップアップ・ストアを出店したのですが、その時に特に良い印象を持ち、店舗のイメージが固まりました。

 

また、最近立ち上げた、柴犬のキャラクターをモチーフにしたサブブランド「Grumpy Shiba」や、文通に興味のある人々同士をマッチングするプロジェクト「Haru Penpal」を拡張したいと考えています。Grumpy Shibaは、私が大好きな犬種である柴犬をキャラクター化したもので、Studio Haruの中でも新しい取り組みになります。またHaru Penpalは、電子メールやチャット、テキストメッセージが連絡手段の主流となっている現代において、手書きの良さをあらためて実感してもらい、より心のこもった文化交流を醸成したいと考え、参加者を募っています。

 

インスピレーションの赴くままブランドを拡張しているため、長期的な目標は特に立てていません。目下の目標である店舗の整備に全力を尽くし、その後はまた試行錯誤を繰り返しながら、より多くの皆さんにStudio Haruを知っていただきたいと考えています。

Studio Haru shelf
grumpy shiba

Studio Haruの作品は弊社のオンラインショップで販売しています 。

彼女の作品を購入されたい方は是非、当社のオンラインストアーをチェックしてみてください!

海外で活躍するハンドメイド作家さんの作品を販売しています。


niji online store

Posted on

アラビア語&ひらがなジュエリーデザイナーのsatokomatsuさんの紹介記事が掲載されました。

satokomatsu

2023年5月7日、RESOBOX East Village(レゾボックス イーストビレッジ店)で、NYで活動する日本人作家や、日本にまつわる作品を手掛ける外国人アーティストによるアクセサリーや雑貨などのブースがずらりと並ぶイベント「Mother’s Day Japanese Craft Show & Workshops」を開催します。本展は、イベント会社「NYK Marketing」が企画し、2018年にスタート。半日で400人以上を動員する人気イベントの一環です。
「どんな作家さんが活躍しているの?」「人気の秘密は?」「出店してみたい」…など、弊社のホームページにもさまざまな質問が寄せられます。
今回は、アラビア語や日本語などの文字をデザインした「文字絵ジュエリー」のブランド「satokomatsu」を展開する作家、小松聡子さんにインタビューをしました。アクセサリーを通して「人と人とを繋げたい」という小松さんの思いと作品の魅力に迫ります。

Q/言葉をモチーフにした、ユニークでシンプルなジュエリーが魅力的ですね

イメージを手描きでスケッチしてデザインを固め、真鍮かシルバーの金属の板を糸鋸で切り抜き、ゴールドメッキを纏わせて仕上げるアクセサリーを作っています。モチーフは「言葉」がメイン。身に着けて出掛けることで、「素敵なネックレスだね。そのモチーフって?…」「実は私が身に着けてるこれはね…」など、人と人を繋ぐコミュニケーションツールになれば…という思いを込めています。
私にとって制作は「言葉と同様に、ジュエリーも人と人を繋ぐ架け橋になれるのでは?」という、挑戦の一環。私も作品を通して多くの人と繋れたら嬉しいです。

Arabic letter handmade necklace

Q/文字で動物や植物を表現したり、平仮名や英語に加え、アラビア語をモチーフにしたりしているところがユニークです

文字を組み合わせて形を作る行為は、江戸時代からの遊びとして行われていました。例えば「ひつじ」という平仮名を組み合わせたイラストを見たことがある人も多いかと思います。アラビア語は、外国語大に通っていた大学時代に、副専攻語として学んだのが最初の出合いです。「文字が装飾みたいで可愛い」と思い、優雅な曲線美にも惹かれました。 日本ではあまり一般的ではありませんが、イスラム教の聖典「クルアーン」の言語としても有名。国際連合の6つの公用語の1つで、世界で3番目に話されている言語です。

 

私自身、父が英語、母が書道の教師という、文字に囲まれた環境で育ち、幼い頃から文字や外国の言葉、海外に興味がありました。これまでに英語、イタリア語、アラビア語、ヘブライ語、チベット語、ドイツ語を学ぶ、語学好きです。それが今現在、文字をデザインする作風に繋がっています。

Sheep shape with hidden hiragana letter necklace

Q/NYK Marketingが主催してNYで開催されるポップアップショップをはじめ、日米の通販サイト「etsy」「creema」「minne」などでも作品が販売されています。特に人気の商品などはありますか?

アメリカやヨーロッパからのオーダーが多い「etsy」で人気なのは「ラクダ」や「桜」のモチーフのアクセサリーです。また、プレゼントの言葉をアクセサリーに込め、サプライズの演出に使う方もおられます。また、「推し」の名前をモチーフにしたオーダーも最近は増えていますね。

日本人からはアラビア語のネームネックレスが人気です。英語のようにパッと見て名前だと分からないため、お守りのような存在として身に着けたい方やプレゼントとして人気。これまでに100件を超えるオーダーをいただいています。全てがオーダーメイドで、文字の配置や大きさをバランスを考えながら心を込めてデザインしています。

Camel and sakura shape handmade necklace

Q/NYでジュエリー作家として活動することになった経緯を教えていただけますか?

話せば長くなるのですが、大学1年の時にイタリアへ行き、誰が見ても綺麗で普遍的なジュエリーの魅力に惹かれました。その後、大学に通いながら専門学校でデザインも学び始め、3年生の時に休学してイタリアへ留学。ジュエリースクールでデザインと制作を勉強しました。大学卒業後は、日本の企業にジュエリーデザイナーとして就職。デパートの売り場に、自分の作品が並んだり、国外のジュエリーフェアに参加したり…、やり甲斐があり、充実した日々を過ごしました。しかし、離婚を機に「自由になった今しかない」と思い立ち、7年以上勤めた会社を退職。これまでの経験も活かしながらジュエリーデザインの学びを深めるため、各地からトップを目指す人が集まるNYに渡りました。ビザの関係もあり、1年で帰国したのですが、現地で今の夫との出会いがあり、フィアンセビザを取得して移住。現在に至ります。

Handmade necklace working process

Q/イタリアやアメリカ、日本と様々な場所でジュエリーを学ばれています。国によって好まれるデザインなどに違いはありますか?

日本では、企業に勤めていたこともあり、正確さと大衆に好まれるデザインが重宝されました。また、人とある程度一緒だと安心する傾向にある日本の風潮もデザインに反映していたように感じます。一方、ヨーロッパは自然からインスピレーションを得た、イメージ重視なデザインが特徴です。アメリカは人種のサラダボウルと言われるほど様々なタイプの人が集うため、カテゴライズは難しいですね。人種や文化によって、人々に個性があるのと同様に、ジュエリーの違いを楽しむのも面白いです。

Q/「Japanese Artist Pop-up Shop 」との出合いは? また、リアルショップの利点があれば教えてください。

ニューヨークに移住した際に、自分の作品を出展する場所を探していた時に見つけて客として行ってみました。そこで、責任者の方とお話しして意気投合し、出展できることになりました。
リアルショップの利点は、自分の作品を通していろいろな方と話ができたり、知り合いになれたりすることです。例えば、私の代表作の一つに平仮名の「い」と「ぬ」で、犬の形をデザインしたアクセサリーがあります。「実は日本語で犬って書いてあるんですよ」と話しかけることで会話が弾み、情報交換ができたり、個人的な話に発展したりします。国や人種を超えて、アクセサリーがコミュニケーションツールの一つになる瞬間を体感し、やり甲斐と幸せを感じます。また、リアルな反応から着想を得て、新作を作ることも多いです。

Dog(inu) shape handmade necklace.

Q/今後の展望を聞かせてください

今後も、人と人とを繋ぐ「言葉」をモチーフにしたアクセサリーを作り続けます。大量生産というスタイルではなく、自分の手の届く範囲で丁寧に手作りし、人や国を繋ぐ架け橋のような存在になれたら嬉しいです。NYでは平仮名のデザインや小さめのモチーフのリクエストもいただいているので、自分の作風を大切にしつつ、新しい挑戦もしながら進化していきたいです。

satokomatsu

【インフォメーション】
⚫︎小松さんは、7月22、23日に東京ビッグサイトで開催されるCreema主催の「Handmade in Japan Fes」にも出展されます。日本で直に会ってオーダーできるチャンスですのでお見逃しなく

⚫︎作家やイベントの詳しい情報は公式サイトからご覧いただけます

※「NYK Marketing」では、世界に向けて作家の作品を販売するオンラインショップをオープン予定です。ご興味のある方はお問い合わせください

Resobox(日本企業の「アメリカ進出支援」と、NYに日本文化を広げる「文化振興事業」を展開)

【インタビュー】「Japanese Artist Pop-up Shop11」2/26開催 参加のアーティスト紹介

Resoboxさんのオリジナルインタビュー記事はこちら

小松さんのその他ウェブサイトなどのリンク

instagram

niji online store

website

Posted on

日本人ジュエリーデザイナーのpucci ropa jewelryさんの紹介記事が掲載されました。

ニューヨークで活躍される日本人ジュエリーデザイナーの“pucci ropa jewelry”さんのインタビュー記事が掲載されました。

2023年2月26日、RESOBOX East Village(レゾボックス イーストビレッジ店)で、NYで活動する日本人作家や、日本にまつわる作品を手掛ける外国人アーティストによるアクセサリーや雑貨などのブースがずらりと並ぶイベント「 Japanese Artist Pop-up Shop 11」を開催します。本展は、作家と消費者を繋ぐ場、そして作家同士が交流する場を作ろうと、イベント会社「NYK Marketing」が企画し、2018年から弊社RESOBOXのスペースで定期的に開催。今回で11回目となります。半日で400人以上が来場するなど、回を重ねるごとに人気が広まり、リピーターも増加。イベントを運営するNYK Marketingの代表・伊藤容子さんは、日本の通信販売大手「フェリシモ」の会報誌でも紹介されました。

「どんな作家さんが活躍しているの?」「人気の秘密は?」「出店してみたい」…など、弊社のホームページにもさまざまな質問が寄せられます。今回は、そんなリクエストに応え、2019年からイベントに出店されているアクセサリー作家・竹下ちひろさんにインタビューしました。
竹下さんは、毎日を楽しくするジュエリーをモットーにブランド「pucci ropa jewelry」を立ち上げ、指輪やピアスなどを制作されています。

Q/個性が光る、大きめのシルバーアクセサリーが魅力的ですね。まずは竹下さんの作品の特徴や、ブランド名「pucci ropa jewelry」に込めた思いから教えてください。

スターリングシルバーや真鍮を使ったアクセサリーを中心に制作しています。
私自身の好みが「削り落とした美しさ」より、「独自の個性を加えたデザイン」。ニューヨーカーが好むデザインも、存在感のある大きめなアクセサリーなので、そこにフォーカスした作品が中心です。
ブランド名の「pucci ropa jewelry」は、小柄な私の愛称であり、小さいという意味の”Pucci “という言葉と、スペイン語で服を意味する”Ropa “を組み合わせました。NYに来て以来、メキシコ人のハッピーなオーラにパワーをもらうことが多く、ブランド名にこの言葉を使うことにしました。

Q/NYでアクセサリー作家として活動することになった経緯は?

最初にNYで暮らしはじめたのは2010年。当時、東京でヒップホップダンサーとして、イベントやクラブ、フィットネススタジオを中心に活動していたのですが、「ダンスの聖地であるNYで本格的に学びたい」という強い憧れを抱き、思い切って渡米しました。NYに来てからは、語学を学びながらダンスカンパニーに所属し、現地の子どもたちにダンスを教える機会にも恵まれました。そんな日々の中で「本気で挑む人たちが集う、エネルギッシュな街のムード」にどんどん惹かれていきました。

その後、やむを得ない理由で帰国。しかし、荷物を取りにNYに行った時、「アートスクールに留学してみては?」と友人から勧められ、「NYに戻れるならば」と2015年に再度NYに戻ってきました。

NYに在住するために入学を決めた学校でしたが、ひょんなことから、ここでジュエリー作りを学ぶことになりました。素晴らしい先生との出会いもあり、徐々にのめり込み、2017年からは興味はあったものの、初期費用が掛かるため躊躇していたメタルジュエリー作りをスタート。全力で取り組み始めました。作品をさまざまなシーンで披露すると、知人に頼まれてオーダーメイドで注文を受けるようになり、気付けば作家として注文を受けるようになりました。

Q/「Japanese Artist Pop-up Shop 」との出会いは? 出店してよかったこと、作家の立場として感じる魅力を教えてください

1回目から作家として参加している友人の紹介で参加することが決まりました。作品の販売に関して、個人でネットショップなどを立ち上げる方法も考えたのですが、私の作品の場合、肌馴染みが良いカーブやフォルムを意識したものが多いため、実際に身に着けてもらった方が魅力を感じていただきやすい特徴があります。ポップアップショップという場に参加できたことで、試着から購入に繋がるケースが増えました。

自ら店頭でお客さんの声を直接聞けるメリットもあります。ニューヨーカーが好むデザインを知れたり、その場でサイズ調整したりしながらコミュニケーションも楽しめます。

また、フラッと立ち寄ってくださった方との出会いや、出店者同士の横の繋がりができたのも嬉しかったです。回数を重ねるごとに、収入を得て稼げる場になっていますし、自分に本格的に活動するきっかけやチャンスを与えてくれたありがたい存在です。

Q/Instagramに作品が掲載されています。個性的で他にないデザインも多く、見ているとワクワクします。作品で表現したいことや、代表的な作品を教えていただけますか?

心に響いた出来事、感情が揺さぶられた瞬間を表現することが多いです。そのため、全ての作品に意味があり、タイトルが付いています。
代表的な作品の一つは「アメーバ」という名前のリング。3Dで凸凹としたデザインを表現したいと思い立ち、色々と調べていた時アメーバにに惹かれたんです。この生物の、常に変化し続ける特性に、「これだ!」と心が弾み、進化や革命、変化という要素を作品にしました。形状が複雑な分、作業が大変なのですが、身に着けてくれる人の「変化や進化を後押しするアイテム」になればと、一点一点丁寧に仕上げています

また、「WINDING ROAD」という絢香とコブクロがコラボした曲をテーマにしたリングも思い入れの強い逸品。自分自身が励まされた「曲がりくねった道の先に、待っている幾つもの小さな光」という歌詞から着想を得てデザインしています。自分の経験から生まれた作品が、お客さんの背中を押したり、お守りになったり…。日常を楽しむアイテムになってくれたら嬉しいです。

Q/今後の展望について聞かせてください

年齢に関係なく新しいことに挑戦しやすく、また、それを受け入れてくれる環境。日本にいたら周囲の目を気にして選択できなかった未来を歩めているように感じます。

最近のニュースとしては、ヴィンテージの古着屋さんが、私の作品を気に入ってくださり、店舗に常時置いてくださることが決まりました。また、黒人のファッショナブルなお兄さんに「このデザインをゴールドでメンズ用に作れない?」とリクエストしていただいたり…。少しずつですが努力が実り、認められ、自分の活動を広げる環境が整ってきた実感があります。

2023年は、もっとジュエリー作りにフォーカスし、ブランドを少しずつ大きくしていく予定です。通販サイトも検討していますので、NY以外にお住まいの方にも、作品に触れていただけたら嬉しいです。

Resobox(日本企業の「アメリカ進出支援」と、NYに日本文化を広げる「文化振興事業」を展開)

【インタビュー】「Japanese Artist Pop-up Shop11」2/26開催 参加のアーティスト紹介

Resoboxさんのオリジナルインタビュー記事はこちら

pucci ropa jewelryさんWebsiteInstagram

次回のJapanese Artist Pop-Up Shopは2月26日2023年にResobox East Village店にて開催されます。今回はアクセサリー、雑貨、アパレル等のバラエティーに富んだ12名以上のアーティストさんが出店されます!

イベントの詳細はコチラ

Posted on Leave a comment

クチュリエに掲載されました

フェリシモさんの運営するクチュリエという手芸&ハンドメイドの媒体にてJapanese Pop-Up Shopの紹介をして頂きました!

オリジナル記事はコチラ(https://www.felissimo.co.jp/couturier/blog/categorylist/couturiertane/post-24356/)

世界中から集まった作品に出会えるのが、ここNYのおもしろさなのですが、日本人作家の作品は見かける機会がとっても少ない! そんな中、日本人作家のアクセサリー販売会「Japanese Artist Pop-up Shop」がにぎわっていると耳にして、主宰する伊藤 容子さんにお話をうかがってきました。

コロナでの中断を経て再開した「Japanese Artist Pop-up Shop」を僕が訪れたのは、10回目にあたる節目の時。「日本に行かないと買えないアクセサリー」を求めて400人を超えるファンが押し寄せ、会場はパンパン。ここを運営するのが伊藤 容子さんです。伊藤さんはIT系企業の営業マンとして東京で数年働いた後、「英語を使って仕事をしてみたい!」と一念発起、2018年に渡米したそう。そしてまず飛び込んだのが、NYで日本の工芸品や食品のPRを行う企業。そこでインターンとして働く3ヵ月の間に、NY市内にあるスペースを使って、自分のアイデアでイベントを行うチャンスを得ます。その時思いついたのが、日本人作家によるハンドメイド作品の販売会でした。それは、日本の露店で数千円で買った手づくりのイヤリングが、通りすがりのニューヨーカーに「それどこで買ったの?」と驚くほどいつも褒められ、「もっといろいろな作品を彼らに見せてみたい」と思ったのがきっかけでした。

Japanese handmade makers market

ハンドメイドのアクセサリーが大好きで、昔からさまざまな作り手をSNSでフォローしていた伊藤さん。まずは自分が純粋にいいと思う作品を作っている人に声をかけてみようと、アメリカに住む日本人はもちろん、日本在住の作家の方にもメールを送ったところ、瞬く間に20名ほどの作家さんが集まったそうです。最初の来客数は50人程度と少なかったそうですが、その後、2、3ヵ月に一回のペースで開催をしていくうちに口コミで話題となり、今では半日で数百人が訪れる、NYのハンドメイド系ポップアップの中でも有数の人気を誇るイベントに成長しました。

Japanese makers market
訪れたニューヨーカーは一様に、日本人が作ったアクセサリーに夢中! あれこれ見ていると飛ぶように時間がすぎていきます。

 

訪れるのは20~30代アジア系の方が7割、白人の方が2割くらいで、「アメリカのアクセサリーは自分の体格や肌の色に合わない」と感じている若者たちが大半。「ここでは、アメリカでは見られないような作品がいっぱい! 特に、これほど細部まで気配りができている作品は、ここ以外ではほぼ手に入らない」と、ここぞとばかりに買っていくそうです。日本人の感性で作られた手づくりの作品が、ここNYでこれほどまでに評価をされているだなんて、僕までうれしくなってしまいます。

ペルー在住の日本人作家AKKANBEさんの折り紙のアクセサリーたち。ヴィヴィッドな色合いもかわいい。

 

人気作品の傾向を尋ねたところ、伊藤さんは一瞬考えこんで「まだまだわからないことは多いですが……」と前置きをしながらも、特にお客さんの中で話題になっているという作品を見せてくれました。ひとつ目がペルー在住の日本人作家AKKANBEさんの折り紙のイヤリング。「人気のポイントはミニチュアサイズなのに細かなデザインがほどこされていて、日本の文化的な要素が含まれているところですね」とのこと。そういえば数年前に僕が自社イベントで取り上げたミニチュアフード(樹脂粘土で作ったフェイクフード)も大人気ですぐに売り切れたので、日本のミニチュアの精巧さや繊細さはニューヨーカーにとっても、魅力なのかもしれません。

日本在住Twilightさんの作品は、水引の繊細で奥ゆかしいたたずまいが魅力。日本人の美意識がニューヨーカーにうけるのはうれしい。

 

ふたつ目は、日本在住の作家である水引装飾Twilightさんによる、ネックレスなどのアクセサリー。この作品をきっかけに水引を知り、水引のワークショップを受けたいという問い合わせを受けたこともあるそうで、日本の工芸文化がこのような形で伝わるなんてとても素敵だなと感じます。

フェリシモさんの運営するクチュリエという手芸&ハンドメイドの媒体にてJapanese Pop-Up Shopの紹介をして頂きました!

オリジナル記事はコチラ(https://www.felissimo.co.jp/couturier/blog/categorylist/couturiertane/post-24356/)

Posted on

イベント体験談(長沢美保子 さま)

Japanese Artist Pop Up Shop 6  イベント参加体験談

6回目のPop-Upのイベントに初めてご参加いただいた長沢さまに、イベントに参加した感想をお伺いしました。

●自己紹介

仙台在住のジュエリーアーティスト ビーズ工房 Ever Green 長沢美保子です。
ジュエリーとの出会いですが、8年程前にビーズの魅力に引き込まれて制作を始め、
その後、複数のジュエリー制作技能資格(ジュエリークロッシェ教授資格等)を取得しました。ビーズアクセサリー、ジュエリークロッシェ作品のほか、幼少の頃に始めた折り紙の経験を生かした折り紙アクセサリーもメインに創作活動中です。現在は、仙台を拠点に百貨店・イベント等に出展し活動をしています。

●NY(海外)で活動することになったキッカケ

特に折り紙アクセサリーが「Japanese Artist Pop Up Shop」に合うのではという期待と、家族の協力もあり、今回ニューヨークでの出展になりました。

●イベントに参加してよかった事

イベントでは、折り紙アクセサリーへの反応が多く、また、直接お客様の声を聞くことができ、今後の創作活動の参考になりました。

●イベントに参加して大変だった事

ニューヨークで初出展だった為、備品の準備や英語表記にする為の準備等に時間がかかり、大変だったことを覚えてます。

●今後の活動について

これからは、仙台を拠点に日本全国を巡り、また、ニューヨークでも定期的にイベントに参加し、活動の幅を広げていきたいです。

●海外に今後展開したいと考えている人へのメッセージ

海外展開は、最初戸惑うことが多々ありますが、ニューヨークは個性を生かせる街です。街にあふれる数々のアートに目を向けることができます。

アーティスティックな街、ニューヨークへの進出にトライしてみてはいかがでしょうか。

Designer :Bead Factory Ever Green/ビーズ工房 Ever Green

Origami accessories (earrings & hair ornaments) you can use for both casual and formal occasions. One of a kind earrings, necklaces, rings with beads, pearls, and gemstones carefully crafted with love. She is a certified professor of “Jewelry Crochet” technique.

Posted on

イベント参加体験談(小松聡子さま)

体験談小松聡子さん

ニューヨークに在住でJapanese artist pop-up shopのイベントにご参加いただいたsatokomatsuの小松聡子さまにのご紹介と体験談をお話いただきました。


ジュエリーデザイナーの小松聡子です。

大阪生まれ大阪育ちですが、6年前に宝石製造卸の会社を退職、ジュエリーデザインのスキルアップのためにNYに来たことをきっかけに自分のブランドを立ち上げ、今はNYを拠点に活動しています。

イベントでは実際にお客様の声や、その方達の身につけている物を知ることができるので、そこから次に何を作ろうか、次はどんな見せ方にしようかとアイデアを得られます。

それまではアメリカではネットショップのみの販売だったので、最初は在庫の確保とディスプレイ等を揃えるのが大変でした。他のクリエイターマーケットに行って他の方のブースデザインを見たり、気になったディスプレイはどこで買ったのかと直接聞いたりもしました。

今後はもっといろんなイベントに参加して活動の幅を広げたいと思っています。

ニューヨークは刺激的な街です。そして何事も始めるのに遅すぎるなんてことはないよ、と背中を押してくれる街でもあります。もし、出てみたいけど言葉の壁が、とか何から手をつけたらいいのか、と迷っているならとりあえず飛び込んでみて下さい。その経験こそがアーティストの糧になります。



Designer: Satoko Komatsu



Born and raised in Osaka, she was influenced by her parents, English
teacher and Japanese calligraphy teacher. While a university student
studying Italian language and culture, Arabic and Hebrew, she went to
Florence to study jewelry design. After 8 years career as a jewelry
designer in Japan, she moved to NY in 2013 to hone the design skill.
In 2015, she started to make her own jewelry.

Website
Facebook
Instagram